平宗盛をNHK大河ドラマの主人公に!~平宗盛大河プロジェクト~

平家物語では散々な扱いを受けている、清盛の三男坊、平宗盛にスポットを当てたブログ。いつの日か、大河ドラマ化されるといいね。

新・平家物語の史実との違い

前回記事で、吉川英治「新・平家物語」が99円で全巻読める!と書きましたが、

munemori-taiga-project.hatenadiary.jp

実は、新・平家物語には、史実との違いがかなり見受けられます。(執筆開始が1950年ですから致し方ないですが)

まだ一巻(相当)部分しか読んでないのですが、これだけ違いがあります。

・清盛の家庭環境

⇒冒頭に清盛一家が母・祇園女御の浪費癖でひどく困窮し、叔父忠正の家まで清盛が金策に行く場面があります。しかし、実際は忠盛は国司を歴任し、かなり豊かな生活だった(この時代、国司は儲かる仕事)といわれています。むしろ叔父忠正の方こそ、ほとんど所領がなく、貧しかったようです。

・清盛の母親

⇒作中清盛の実母が祇園女御であるように描かれていますが、実際は祇園女御の妹という説があるようです。また、清盛の実母は清盛の幼い頃既に死んでおり、実質的な育ての親は、池禅尼ということになります。

・清盛の兄弟

⇒清盛の兄弟は(諸説ありますが)、清盛を長男に、家盛、経盛、教盛、頼盛、忠度という順番とすることが一般的ですが、新・平家物語中では、清盛、経盛、教盛、家盛、頼盛、(忠重)、忠度という順番になっています。(しかも清盛~教盛まで同母設定)

平家が代々抱える問題に、父太郎(生まれ順の長男)VS母太郎(正室の長男)問題があり、清盛の場合は母太郎である家盛が最大のライバルということになるはずなんですが、新・平家では特に描かれてないようです。

・清盛の息子

⇒これも宗盛ファン的には「うーん」なところ。長男重盛以下をすべて時子が産んだような描かれ方で、これもでは「父太郎VS母太郎」問題自体がないことになります。この問題が、宗盛の人格というか、生き方に影を落としているような気がするので、ちょっと残念かな、と。

 

もし吉川英治がもう50年後に生まれ、平家物語を書いていたら、もっと歴史的に正確に、かつ面白いものになったと思われるのが、悔やまれるところです。

ただ、99円で電子書籍版の「新・平家物語」が読めるのは、非常に素晴らしいので、ぜひ読んでいただきたい!

新・平家物語 全16巻合本版

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