平宗盛が大河ドラマに君臨できない3つの理由
前回の記事でも書いた通り、平清盛の三男、平宗盛(1147~1185)こそが、これからの大河ドラマの主人公像としてふさわしい!とぶち上げました。
munemori-taiga-project.hatenadiary.jp
ぶち上げたのはいいが、宗盛が日曜8時のNHKで主役を張るには、以下の3点の問題を解決しなければならない。
①まず、原作がない
大河ドラマには、今年の真田丸などの例外を除き、原作が存在する。宗盛の場合、エピソード自体には事欠かないものの、あくまでワンポイントの登場であり、彼の一生を通して描いたものは存在しない。
ちなみに歴史上宗盛と並ぶダメ息子、今川氏真には、主人公の小説があるので一応紹介しておく。
なお、宗盛主人公の小説は、アマチュアが書くweb小説にすらほとんど存在しない。
また、私自身は鑑賞したことがないが、能には「熊野(ゆや)」という宗盛が多く登場する作品がある。しかしタイトルからもわかる通り主人公は宗盛の愛妾「熊野(ゆや)」で、宗盛自身は脇役(ワキ)だ。しかもバカ殿。
ちなみに「平宗盛 主人公」でgoogle検索するとこのブログがトップに出る始末。うれしいような、寂しいような。
②そもそも知名度が低い
宗盛の父、平清盛はgoogle検索で約757,000のヒット件数を誇る一方、宗盛の検索件数は約42,200件と、大きく差がついている。
なお、その他の平家の人物はというと
平重盛 93,500件
平知盛 83,500件
平重衡 58,400件
平敦盛 123,000件
と宗盛に限らずみな全体的に低い。知名度(というよりネットにおける存在感か)の低さは、清盛以外の平家の武将たちに共通の問題と言えるかもしれない。
なお、昨年2015年の大河ドラマの主人公に選ばれたのは、制作発表時点で、wikipediaに項目すら作られていなかった女性なので、宗盛の大河ドラマ化も決して望みを捨ててはいけないのだ!しかも壇ノ浦の戦いは山口県で行われる。安倍首相の眼の黒いうちなら、ワンチャンあるで!
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③知ってても評価が低い
これが一番問題かもしれない。平家物語において悪役扱いの清盛ですら、改革者としての側面を強調されたり(池宮彰一郎の平家とか)、「新しき国」に燃える男として描かれたり(2005年の大河「義経」とか)してるのに、宗盛はどうだ。
平家物語や、当時の貴族の日記に描かれている宗盛のエピソードなんて、こんなもんだ。
・よその家から馬を奪い、焼き印するなどの虐待を加える
・「僕は事なかれ主義ですから」と言っちゃう。
・食べ過ぎで朝廷の仕事を休んだとか言われちゃう。
・壇ノ浦の戦い敗戦後、死ぬのが怖くて、舟から海に飛び込めず、家臣に突き落とされたうえ、生き残る。
・助けられての第一声は「お母さん(二位尼)はどこ?」(※既に入水して死亡)
・最大の敵だった頼朝に平身低頭し命乞いするも叶わず。
・処刑される瞬間まで息子のことばかり。
あ、最後は良い話か。ただ、当時としては、子への煩悩が勝ちすぎていてカッコ悪い、とされたのでした。ダメエピソードで打線が組めそう。
なんかいろいろとダメそうな感じがしてきましたが、次回の記事では、この3つのハードルへの解決策を打ち出していきたいと思います。