源頼政が退治した「鵺」=レッサーパンダは平家が持ち込んだ説
源三位頼政といえば、「鵺退治」。最近この鵺退治に新説が登場した。なんと鵺はレッサーパンダだったというのだ。
源平時代の武将、源頼政が退治して名を挙げたと言われている「鵺(ぬえ)」。
その姿といえば、
頭は猿、手足は虎(とら)、体は狸(たぬき)、尾は蛇、声は虎鶫(とらつぐみ)に似ている。(google検索結果より引用)
という非常に珍妙な姿が想像される。
古生物学者の大胆な仮説「鵺=レッサーパンダ説」
今回、JR東日本の新幹線車内に置かれている雑誌「トランヴェール」にて、古生物学者の荻野慎諧(おぎの しんかい)氏が発表したところによれば、体つきが狸で、長いしっぽ、鋭い爪を持った足は、まさに「レッサーパンダそのもの」だという。
(円山動物園HPから引用したレッサーパンダの画像)
しかし、この当時の日本にレッサーパンダは本当に生息していたのか?
そう聞いて一瞬納得しかけたが、しかし、この当時の日本に野生のレッサーパンダが生息しているという証拠がないのだ。
新潟県長岡市から、約300万年前のレッサーパンダの化石が出土したそうだが、それ以降の新しい年代の化石が出土していない以上、平安末期はおろか、数万年前の生息さえ、はっきりとは証明できないことになる。
もしかして外来?
我々が知るレッサーパンダは本来、中国の奥地に生息する生き物である。また、既に絶滅はしたが、中国中央部の陝西省や甘粛省にも生息していたという。
当時(近衛帝の時代なので1142年~1155年)、日本と中国は一応関係を持っていたので、何者かが中国から珍獣として日本に持ち込んだものが野生化してしまったものを、頼政らが退治したとするのが自然だろう。
この時代に、中国とパイプがあって、はるばる日本の京都までレッサーパンダを取り寄せて運べる力があるのは……
あれ?平家じゃね。
つまり、こういうことになる。
・平忠盛or清盛が、帝に献上するなどの目的で珍獣「レッサーパンダ」を輸入
・しかし何らかの手違いが起き、都まで運んだ後、脱走
・野生化し、帝の住む内裏付近を荒らすようになる
・夜ごとに鳴き声がうるさくて眠れず、帝、ついに体調を崩す
・頼政「鵺退治じゃあ!!」
・平家知らんぷり
ちなみに、この鵺、一説には名馬、木下(このした)に姿を変えたという。そう、我らが宗盛が頼政の息子から取り上げた木下である。
そうなると、自ら持ち込んだ獣が、巡り巡って平家を滅ぼしたことになり、大変面白いが、レッサーパンダは馬にはなりませんやね…